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〜「魔女宗」の混乱〜
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ウイッカ、クラフト、ウイッチクラフト
〜「魔女宗」の混乱〜

                                              楠瀬啓

 「魔女宗」という訳語は、英語の「ウイッカ、ウイッチクラフト、クラフト」など複数の単語に当てられています。これらの単語は入り乱れて用いられることが多いため、多くの初学者の混乱の原因となっています。 
 
 ウイッチクラフト、クラフトという言葉は、全ての魔女の宗教を指して用いることが出来ます。「クラフト」という呼び名は、ウイッチクラフトが「賢者のクラフト(技術)」の意味であると信じられていた頃の名残ですが、「宗教名らしくない名前」であるため、正式な宗教名として使うというより、主に魔女たちの間のカジュアルな会話で用いられます。
 
 「ウイッカ」とはもともと、現代の魔女宗の父ジェラルド・ガードナーのウイッチクラフト流派と、その近縁であるアレックス・サンダースの流派の2つを指して、1960年頃よりイギリスで用いられるようになった言葉です。その意味で、本来、2つの流派のみを指す、特殊な言葉でした。   

 ガードナー以前に起源があると主張する魔女宗は、「ウイッカ」ではなく、「ウイッチクラフト」もしくは「クラフト」と呼ばれます。ただ、ウイッチクラフト、クラフトという用語は、ウイッカも含めることが出来るため、あえてはっきり区別を付ける必要がある時は、ガードナー以前の伝統を「伝統派クラフト」「伝統派ウイッチクラフト」と呼びます。 

 ウイッカがアメリカに渡ったのち、本来のウイッカをベースに様々な流派やスタイルが生まれ、ソロで実践する魔女や、魔女宗のマニュアル本が現れました。それらも全て「ウイッカ」と呼ばれることが増えました。これはもちろん、本来のイギリスでの「ウイッカ」という言葉とは違った、新しい意味での用法です。今では多くの魔女が、この意味でウイッカという言葉を使っていますが、反面、保守的な魔女は今でも、「ウイッカ=ガードナー系」という定義にこだわります。

 アメリカに続きヨーロッパでもソロの独学魔女やマニュアルが増え、ウイッカという言葉の意味は広い意味で使われるケースが増えてきました。

 ウイッチクラフトではなくウイッカという言葉が好まれるようになった背景には、「ウイッチクラフト」という言葉は一般にも使われている単語であり、それは「宗教」というよりは、「悪魔崇拝」や「呪術」を指して使われることが多いということがあります(魔女の中には、この理由で「ウイッチクラフト」という言葉を全く使わない者もいます)。

 つまり「ウイッカ」とは、ガードナー以降の魔女宗を指すものの、その厳密な定義は、その魔女の考え方やこだわり、学んだ背景によって異なることがあるということになります。   
 
 日本ではかつて、「ウイッチクラフトの古語がウイッカであり、ウイッカという言葉が好まれる」という紹介がされていたため、これらの用語の本来の使用法が知られることなく、両方とも同じものに過ぎないという誤解が広まっていました。 
 
 独学の魔女がほとんどである日本では、独学の魔女が自分の宗教をウイッチクラフトと呼ぼうとウイッカと呼ぼうと、日本語の「魔女宗」と呼ぼうと自由です(魔女という言葉にしても、ウイッカンと呼ぼうとウイッチと呼ぼうと自由です)。もちろん「ウイッカ」と呼ぶなら、それは現代的な広い意味での「ウイッカ」になります。しかし現状ではそれで通じますが、将来、日本でも「特定の流派において魔女宗を学んだ魔女」が増えた場合は、「同じ用語でありながら違ったものを意味している」というケースが出てくるでしょう。そのような時のために、ウイッカ、クラフトなどの本来の意味を知っておくことは重要だと思われます。 

 

 

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